直腸がんでもあきらめない 仕事も遊びも

2.原因 ①頻便 a.:ひんべんの原因、排泄メカニズム

食事をすると食物は胃から小腸で消化吸収されその残りが大腸に入って大腸では主に水分が吸収されます。大腸での食べ物の流れは①小腸の終わり回腸:かいちょう、から②大腸の上行結腸:じょうこうけっちょう、に入り、お腹の右手側で上に進んで③横行結腸:おうこうけっちょう、をお腹の右から左へ進む。④お腹の左上の下行結腸:かこうけっちょう、を下に進んでS状結腸:えすじょうけっちょう、に続き最後に直腸:ちょくちょう、を通り肛門:こうもん、から排泄されます。(大腸での便の流れは上行結腸→横行結腸→下行結腸→S状結腸→直腸→肛門です)食事から便として排泄されるまで24時間(1日)から48時間(2日)または72時間(3日)かかると言われます。(看護roo![カンゴルー]より)

看護roo![カンゴルーより]

看護roo![カンゴルー]によれば、食物の到達時間は口から大腸入り口(回盲弁:かいもうべん[大腸に入った食物が小腸に逆流しないようにしている弁])までが4~6時間下行結腸までが11時間s状結腸までが12~15時間直腸までが18時間とあります。単純に計算すると、口から入った食べ物が24時間で排泄されるとすると直腸の滞留時間は24-18=6となり、直腸で6時間滞留することになります。これが72時間で排泄されるとすると72-18=54時間です。その時、直腸に3日分の便が溜まることになります。1日の排便量は100から200gと言われていますから、300~600gが直腸に溜まることになります。しかしこれは直腸だけが便の貯蔵庫の役目をしているという前提に立った単純な考えだと思います。手術時のドクターの説明では、便を溜める役割をする直腸を切り取るので便を溜めることができず、10回から20回くらい排泄があるということでした。つまり「小腸から少しずつ便が押し出されて来るので、大腸の中にある便が無くなるまで排便が続くという事か」と私は理解しました。

ところが、書物やネットで調べてみると、「直腸は本来空っぽで普段は便の溜まっていない部位で、便が移動してくると直腸壁:ちょくちょうへき(直腸のかべ)が便塊:べんかい(便のかたまり)で押されて広がり、直腸の中の圧力(内圧と言う)が高まる。圧力で直腸の壁が引っ張られると神経のセンサーがそれを感じ、電気刺激が神経や脳に伝わり便意を感じる」とあります。えーじゃー、直腸切っても大丈夫なんじゃねーW。つまり、便は下行結腸からS状結腸の部分に溜まり、ある程度の量になると、直腸に移動し、直腸は便で引き伸ばされると便を肛門へ押し出す。ということです。ところで私のS状結腸はどこまで切られてるのだろうか?これが分からないと食べたものがいつから排泄されるかはっきりわからないですよね。今度、診察でドクターに聞いてみよう。

そこでまた調べてみると結局、便は上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸のすべてに溜まり(停滞しているという表現がより適している場合も含め)、先に行くほど水分が吸収されて固くなっていくことがわかりました。これは肛門に近づくほど固められて体積が小さくなり、同じ大きさでより多く貯蔵することができることになります。言い換えれば、直腸はきちんと整理された倉庫なので1日1回出荷するだけで良いが、その前の大腸部分の倉庫では整理が不十分で、かさ張る荷物が多く何度も出荷しないといけない。そんなところでしょうか。直腸より前の、大腸のかなりの部分で便を溜めることができる、ということは何となく納得できます。世の中にはひどい便秘症の方もいらっしゃいます。たとえば1週間も便秘が続いた場合には大腸のさまざまな部分に便が溜まらないと、1週間分も貯蔵することは出来ないでしょう。

では私のように直腸を切り取った場合はどうなるのでしょうか?食後18時間でs状結腸にたどり着き、そこから便が無くなるまで排便が続くのでしょうか。いくつかの書物を読んでみると、大腸に入った便は半日~1日以上かけて排泄される。大腸の中でも下行結腸に到達するのに数時間かかり、水分が徐々に抜け半固形状になる。その先のS状結腸に留まり「バナナ型」の便になる。S状結腸に留まる便は「総(大)蠕動」:そうぜんどう(便を強く押し出す動き)により直腸に移動する。総蠕動は1日1~2回起き、まとまった食物や水分が胃に入ると生じる。これを胃結腸反射:いけっちょうはんしゃ、といい朝食後にトイレに行きたくなるのはこの反射である、とあります。そしてやはりここでも手術時のS状結腸の残り方(切除され方)によって排泄にかかる時間が変わってきますので、排泄までの時間はやはりよくわかりません。

ところで、人工肛門閉鎖術の直後から1か月ころまでは、とにかく昼も夜も一定しない時間に便が出始め、20回くらいのトイレ回数も当たり前のような状態でした。そこで対策の項で述べるように、食事時間、食事量、寝る時間、起きる時間、水分量、下痢を止める薬など生活の改善や工夫を行い、閉鎖手術の4か月後、令和3年8月からとにかく非常勤で仕事を再開しました。はじめのうちは夜間のトイレ通いのために睡眠不足で眠たくてしかたがありませんでした。真夜中から朝方までトイレとベッドを往復し、そのまま仕事に行く日が週に2回ほどあり、それが4か月ほど続きました。今でもそんな日がたまにありますが、大抵は休日の前日の夜になるようにして、翌日は日中に必要なら仮眠を取ります。

「次回から代わりの医師が来ます」という私の手術を執刀してくれた主治医の最後の診察で聞いて来ました。手術後の切り取られた直腸の写真を改めて見せてもらいました。「S状結腸を半分くらいのところで切っています」ということでした。「S状結腸は半分くらい残っていますが、大腸が短くなった分S状結腸が上から下に垂れ下がるようになって、以前のように横になって便を溜める機能は少ないでしょう。CTで見ると、大腸全体で便を溜めるようになっていますね」ということでした。手術当日の病状説明書には垂れ下がった残りの下行結腸、S状結腸が書かれていました。

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